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ラーメンイベントに思う事【コラム】

今年の5月6日に、東京は読売ランドで行われていた「ネオご当地ラーメン合戦」に行き、その会場でばばばっと打ってFaceBookにアップした記事。打った時には特にコラム的な文章のつもりは無かったんだけど、案外反響が大きかったので軽く改稿した上で転載しておきます。

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ラーメンイベントを「お客」「主催者」「参加店舗」の三つの立場で考えた場合、「金銭的損得」で言うなら実は誰も得をしない。まず「お客」の立場からすると、イベントでのラーメンはおおむね700~800円だが、そのうち何割かは主催者側への費用となり、金銭的損得だけで考えると「払った金額の半額程度のラーメンを食べている」事になる。

では主催者側がうはうはかと言うとそんな事もなく、売り上げから頂いた費用のほとんどは設営費・撤去費・運営費・清掃費・宣伝費などで消えて行く。そりゃそうだ。屋外での店舗設備設置と営業には固定店よりカネがかかるのが当たり前。固定店より安く運営できて利益が見込めるなら、みんな固定店など持たなくなる。

計画通りの集客があればむろん赤字にはならないよう計画を立ててはいるが、多くの場合に天候だったりあるいは不慣れな主催者の場合だと宣伝不足だったりで、自分が外部から見る限りではかなり苦しそうなイベントも少なくない。

お店側はどうだろう。先述のように売り上げの半分近くは主催者側への支払いになる。つまり普段よりかけられる費用は少なくなるが、多くのお店は最低限普段並、多くはそれ以上のクオリティを目指す。何しろ大勢の新規顧客が見込めるイベントで、しかもたいていのお客がシェアを含めて複数のお店を食べ歩くイベント。その機会に「あの店たいしたことねーなー」と思われてはたまったもんではないのだ。更に地方からスタッフを引き連れて行く事を考えると良くてとんとん、売り上げによっては持ち出しになる場合も多いと聞く。

そもそもお店がどんなに頑張ろうと、まず集客が無ければ話にならない(このあたりの「お店」と「主催者」との責任分担は、ラ博勤務時代にイヤと言う程実感している)。

ではなぜ誰もトクをしないイベントが全国でしょっちゅう行われているか。ここは(東京ラーメンショーの実行委員と言う)立場上綺麗事のように聞こえるだろうが「ラーメンの魅力」だと言ってしまおう。もうちょい簡単に言うと「お祭り」だ。お客は普段食べられない「ハレ」のラーメンを楽しみ、お店は普段とは違う客層・商圏で自分のラーメンを食べてもらい、更に参加の同業者との交流が楽しめる。主催者は……まあこれは思惑はいろいろだけど(^_^;)、やっぱりラーメンを盛り上げたいじゃないですか。少なくとも毎年駒沢公園で行われている東京ラーメンショーはその思いが原動力だ。

つまりだ。「踊らにゃそんそん」。楽しんだ者勝ちであると同時に、お客、お店、主催者の誰かが「他人はどうでも自分だけは(金銭的に)トクをしたいんじゃ」と言い出したとたんに成り立たなくなる物でもある。
今回のよみうりランドのイベントはどうなんだろう。少なくともラーメンはとても美味しい。限られた条件で精一杯作っているのが判る。自分としては「踊る」価値充分だと思って三杯踊った【爆】。もう一杯くらい踊れるかどうか、消化器と現在相談中【笑】。

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この破線の間がFBで上げた文章(多少の追記と改稿あり)。で、結局当日四杯食べて撤収と。

多少追記しておくと、「主催者がなぜイベントを開くのか」については「ラーメンの魅力」と少々綺麗事と精神論だけで終わらせている。本音だし、間違っていないとは思うが、まあ実際には綺麗事だけじゃない場合もあるんだろうなとは思う。資本主義の社会で実際にお金を動かすイベントをやる以上は、やはり赤字を出せば失敗だし、最低限の利益を出す事は必要になってくる。

問題なのは「何のために利益を得るのか」「誰かが自分だけが得をしようと思ったら成立しない」の二点だろうな。あくまでも、東京ラーメンショー以外については部外者として噂話を聞く範疇での判断でしかないが。聞いた噂話の内容を書けるのは、20年くらい先かしらん(^_^;)。

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テーマ : ラーメン - ジャンル : グルメ

ぬるいラーメンは不味いのか(その2)

先日投稿した「ぬるいラーメンは不味いのか」の続編。七ヶ月後の2010年8月にmixiに載せた物です。

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今年の一月(2010年)に書いた「ぬるいラーメンは不味いのか」の続きです。

「ラーメン熱々絶対主義」に疑問をもって、讃岐うどんの伝統的な「ひやあつ」をラーメンに応用してみたらこれが非常に美味かった、と言うのが前回のあらすじ。その時、この「ひやあつ」が通用するラーメンの条件を以下のように予想していた。


「麺が美味い事」
「スープの味を熱々時のみに向けて調整していない事。おそらく、脂に頼りすぎとか、旨味ブースト過剰だとアウト」
「原則として清湯スープ向き。白湯には向かない」

で、最初に「69'N'ROLL ONE」に実験に付き合ってもらってから、その後「一番いちばん」「圓」などでも試してもらい、この食べ方にほぼ確信を持っていた。また「Due italian」の石塚店主も独自に試して「うまいよ」と言ってくれていた。


そんな話が伝わったのが、胡心房の野津店主。ご存じのようにこちらは豚骨ベースだから最初から頼んだりはしなかったんだけど、「ウチでも試してみたら美味しかったから一度食べにきてよ」だそう。で、昨日行ってきました。  158174_531353292_147large

胡心房の「ひやあつ」。まあ見た目は通常のラーメンと変わらない(^_^;)。


食べてみると、これが意外なほど美味しい。私が白湯タイプを除外したのは「スープ温度が下がる事で、白湯に溶け込んでいる油脂分が固まって食感・食味が悪くなるんじゃないか」と考えたからだけど、胡心房の場合はスープを一旦冷やして油脂を取り除いているので、そもそも固まる物がほぼ無い。また、ひやあつと言ってもいきなり室温とかそれ以下まで冷える訳じゃなく、おそらく50℃~60℃程度。いきなり脂がべたつくほどの低温になる訳じゃないと言う事のよう。


考えてみれば、豚骨や豚骨魚介醤油のつけ麺は普通に存在している訳で、それらのスープが冷めてもそうそう脂が冷えてねっとりしたりはしない訳だしなあ。


で、油脂の問題がクリアできれば、「ひやあつ」のメリットは前回書いた通り。スープの味わいや風味が熱々よりクリアに感じられ、麺の味わいもずっとよい。麺が〆てあるから伸びないし、成分の染み出しも少なくスープへの影響も出にくい。熱くないので一気に沢山の麺とスープを口に入れられるのでインパクトがぐっと増す。


これは、一度濃厚系のお店でもどうなるか試してみたいなあ。風味が強調されるから、純トンコツ系や「きら星」なんかはさすがに厳しいような気がするけど。


なお、まだ正式決定じゃないけど、もしかしたら「69'N'ROLL ONE」と「胡心房」で「ひやあつ」を正式提供するかも知れません。おそらくは、期間限定で知ってるお客の申告制になるかと思うけど。一度、69'N'ROLL ONEでのイベントで何人かの人に出してもらった事はあるけど、あれを豚骨系でやったらどうなるか。正式決定したらまた何らか告知しますので、興味のある方はどうぞ。

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この後、69‘n’Roll ONEでは「ひやあつ」をメニューに取り入れたりしていたなあ。赤坂ではやってくれるとしてもしばらく時間がかかるだろうけど、また食べたいもので。

ぬるいラーメンは不味いのか。

「速報」と言いつつ実質的一発目はコラム的な文章から【笑】。もとは2010年の1月にmixiに上げた文章です。最近「魚雷」@春日が、まさに「ぬるいラーメン」である「稲庭中華そば 65℃の饗宴!」を始めたと聞いてこの文章を思い出したと言う【笑】。

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「ぬるいラーメンは不味いのか?」。

そう聞かれたら、たいていの人は考えるまでもなく「もちろん不味い」と言うだろう。古くは一条家元の「ラーメン三悪」にも挙げられていたし、「許せないラーメンは」みたいなトピやスレでも、大体筆頭に上がるのが「ぬるいラーメン」だ。武内さんは常々「熱いスープに冷えた麺を入れて美味い訳ないじゃないか」とつけ麺には厳しかったりもした。


が、個人的には前々から漠然と疑問に思っていた。
「つけ麺は、麺を冷やしているのでラーメンより麺の本来の味が楽しめる」
「スープが冷めて来ると熱々の時より味が細やかにわかる」
と言う意味の記述はラーメン関係の記事ではしばしば見るし、ラヲタなら経験則で判っている事だと思う。あれ?だとしたら、麺もスープも本来のポテンシャルを知るには高すぎる温度は実は邪魔なんじゃないの(^_^;)?


で、本当にぬるいラーメンは不味いのか、実験に行ってきた。場所は69'N'ROLL ONE。こういう遊びを一緒に喜んでくれる貴重な店主が嶋崎さんなので。使うのは、レギュラー2号の麺とスープで他の小細工は一切無し。


まず第一段階として、これも以前から考えていた「茹でた麺を一度洗い、ぬめりを取って〆てから再度温めてみる」を試してもらう。蕎麦やうどんでは当たり前の食べ方だが、さてラーメンではどうだろう。
結論としては「麺のコシや味わいのキレは出て来るが、手間を考えたら敢えてやる程ではなさそう」。まあ、これはある程度予測はしていた。


さて本番。さっきは洗って〆た麺をあつもりよろしく再加熱してもらったが、今回は〆て水を切ったままで熱々のスープに入れてもらう。そう、ラーメンの「ひやあつ」だ。今回これを試そうと思ったキッカケに、美味い麺については国内有数の経験値を誇る香川県で、讃岐うどんでは当たり前のように「ひやあつ」が存在していた事も大きい。さてさて。
何よりまず麺をすすり込むと……あれ、美味いぞ? 丼を嶋崎さんに渡し、食べてもらうともぐもぐと麺を噛みながら目を剥いてこっちを見ている。「これさあ」「美味いよね?」。その後、嶋崎さんと雑談かたがた喋った内容を列記。

●冷たい麺のせいで一気にスープが冷めるので、熱々で作って冷ましたラーメンと違って味や香りが飛ばない。
●麺は〆てあるので当然コシは熱々よりある。更に適度に温かくなるので旨味や香りも活性化している。
●〆た麺なので、麺のかん水や味わいがスープに溶け出さずに味が呆けない。
●熱くない分、一気に大量の麺を口に入れられるので、スープも大量に運ばれて来て味のインパクトが増す(その分しょっぱめにも感じるので、タレはやや薄めがいい)。
●これなら、つけ麺と同じ感覚で、大量の麺を食べやすい。
●TVで「つけ麺ブームの要因で、若者に猫舌が増えている」と言われていたが、それが本当ならひやあつは若者に受けるんでは?
嶋崎さんがぼそっと言った「これ、ラーメンの良い点も悪い点も強調するね。ある意味怖い食べ方だけど、ラーメンの弱点・欠点をチェックするには物凄くいいかも」との言葉が印象的。なるほど、プロの作り手はそういう視点もあるのか。「今後、賄いでこの食べ方するわ」だそうで(^_^;)。

個人的な予測では、おそらくまず麺が良くないとこの食べ方は難しい。また、多分濃厚に乳化した豚骨・鶏白湯系や、大量のラードや、旨味ブーストを使ったスープではクドさが強調されそうな気がする。となると、首都圏だと大喜・七彩・支那そばや・ちゃぶ屋・維新、13湯麺。関西圏だと麺哲・カドヤ食堂・きんせい等といったあたりの麺やスープだと、もしかしたら面白い効果が期待出来るんじゃないかなあ。

むろんラーメンの美味しさってのは「味」だけじゃなくて「温度」「香り」「食感」「辛味」なども重要な要素になっている。「味」が多少スポイルされても「温度」を重視する風潮はそう簡単には変わらないだろうし、ひやあつが食べ方の主流になるとも思わないが、ちょっと新しい食べ方としていろいろと試してみたいなあ。特に今回は鶏オンリーの69'N'ROLL ONEでの実験だったが、様々な素材をブレンドしている支那そばやあたりでその素材感がどう感じられるかに興味がある。
顔見知りの店主さんのお店で「一回麺を洗って下さい」ってお願いするかも知れないけど、「北島の頭がおかしくなった」とは思わないで下さい【爆】。

プロフィール

siukitajima

Author:siukitajima
「超らーめんナビ」で達人を務めさせていただいていた北島です。2013年6月以降、こちらのblogで「速報」を中心としたラーメン情報をメインに掲載していきます。

私の紹介動画です(音声が出るので注意)

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